私がアンティークウォッチ/ヴィンテージウォッチを愛する理由
あくまでも私個人の話です。ちょっと思うところがあって、予定と違う投稿をします。
私は1930-50年代の手巻腕時計を中心に集めています(もちろん他の年代や現代の時計持っていますが)。もちろん自動巻もありますし、いくつか現行品も持っています(電波時計ももちろん使っています)が、いずれ手持ちの大半がいわゆるアンティークウォッチ/ヴィンテージウォッチと呼ばれるジャンルです。
なぜか。
アンティーク/ヴィンテージと呼ばれる時計たち。その当時、腕時計は機械式が最高峰でした。ゼンマイでテンプを振動させその往復運動で時を刻んでいくのが、腕につけられる大きさの時計としては、最も精度が高く、機能面で優れていたんですね。つまり実用上の理由で、機械式時計が存在した時代なのです。
現代の時計は機械式でもより高機能・高精度になっています。私の好きなブランドの一つ、オメガもコーアクシャルなど採用して、かつて想像された機械式時計の未来に近づいた姿を見せてくれています。あるいはセイコー5みたいに安価な機械式も楽しいですよね、サードパーティのパーツでカスタマイズの世界など、かつてはなかった楽しみです。昔の時計は不具合もありますから、私も今の時計たちも楽しんでいます。
ただ、電池式クオーツが生まれ、そして今はソーラー充電の電波時計があり、機能としてはもう決して機械式が最高峰に立つことはないんですね。つまり今の機械式時計は趣味性の高いもの、嗜好品であり、実用上の理由で機械式が選択されているものではない。それは今後どれだけ機能が高まっていっても変わらないでしょう(いつかそれが崩れる時が来るとすれば、充電池のほうでなにか環境的な問題などが発生したときかな?)。
それがいいとか悪いとかではないのですが、私がアンティーク/ヴィンテージが好きな理由はそんなところなのだろうと思います。当時、時計はそうあるしかなかった、機械式であるのが当然であった頃の時計たち。
それらの時計たちには様々な工夫の跡、それしか持たない独自の魅力が詰まっています。私はそこに強く惹かれているのだと思います(^_-)。
8. LONGINES cal.10.68Z 1930'S Tre-tacche case
はいそうです引き続きロンジンなんです。これもねー、とてもいい顔してます。
LONGINES cal.10.68Z 1930'S Tre-tacche case
なんと言ってもね、このダイヤル、かわいいと思いませんか?3-6-9系のダイヤルって好きなんですよ、顔みたいでね!
ロンジンの3つ爪(tre tacche)ケースってなんか昔から人気があって。なんでかなー、分厚くてコロッとした感じがこの年代だとロレックスのバブルバックとか、そんな雰囲気で人気なんですかね?まあとにかくごっつい裏蓋なんです(笑)
cal.10.68Zですね。つまり10lignesの12.68Zというか?言い方がへんか(笑)直径23mmの一回り小型のキャリバーですね。
15Jの粒金メッキで耐震なし、この時代の12.68Zと同様の仕様です。ネジの頭焼かれてますね。
テンワはモノメタルですね。何かあって交換された可能性もあるのかな?例によってアンクルが金メッキver.ですね。ムーブメント保護リングもカッコイイ\(^o^)/
で、この時計なぜかわかりませんが、中折式の分割巻き芯になってまして(笑)ロンジンってなぜそんな手間かけるの?!ってこといっぱいやってるんですよね、しかも多岐にわたって。絶対生産効率よくないですやん(笑)絶対儲からんでしょ!
裏蓋ゴッツ(笑)
まあそんなロンジンです、不器用な生き方が好きですねー。
The original serial number 5'417'xxx identifies a wristwatch in stainless steel bearing the reference 3777 and the order number 1293. It is fitted with a Longines manually wound mechanical movement, caliber 10.68Z and was invoiced on 3 April 1937 to the company Baume, which was at that time our agent for the United Kingdom.
フラットのステップベゼルも良いでしょ?
手巻中心に集めている理由 アンティークウォッチ/ヴィンテージウォッチ
手巻中心に集めている理由。これもねちょっと説明しておきたいんですよ。機械式でも自動巻のほうが便利というか主流だとは思うんですが。私は断然手巻派で、自動巻はオメガやロレックスetc.を数本持っているだけ(数えるとまあまあ持ってるんですけどね(笑))。
これ、ロンジンがメインだからというのもあるんですが、それ以上に「手巻きが好き」なんですよね。まずはカリカリ巻き上げる感覚が好き。儀式的な雰囲気も好き。それにシンプルで故障も少ないですからね(^_-)、オーバーホールの代金なんかも手巻が確実に安いし(笑)。
ちなみに自動巻で手巻き付きの場合、殆どの場合、巻き上げ感はもう少し細かくジリジリジリとなります。おそらく巻き上げ機構の歯車の数とかの関係なんでしょうかね?
これ以前にご紹介した12.68ZSの巻き上げ野郎ですね(笑)ゼンマイの反発力や竜頭の大きさも含めて、とても良い感触の持ち主です。それぞれ個性がありますよ。こういう指先のちょっとした感触にこだわるのも色気があってイイ(*^^*)と思いません??
そんなんで、私は手巻メインなんです。ちなみに写真撮るときも手巻のほうがラクですよ、自動巻すぐ動いちゃうんで(笑)
7. LONGINES cal.12.68Z(SC) 1930'S
で、しれっとロンジンに戻ると(笑)はいシンプルなタイトルでございますな。
LONGINES cal.12.68Z(SC) 1930'S
ん?この(SC)って何よ???と思ったあなた鋭いっ!!!はいロンジンのcal.12.68Zは12.68N(本当は27.0系列でしょうが)、ZSでセンセコ化されているわけですが、その前にあったんですねーやっぱり。ロンジンだから。Zのセンセコですよ(笑)なので、表記はcal.12.68Zなんですが便宜上私が(SC)を付記しているわけですね(もちろん公式の回答でもシンプルに"12.68Z"です)。要はcal.12.68Zの出車センセコバージョンなわけです。このあと画像見てください。
フラットベゼルに丁寧に仕上げられた丸い裏蓋がよく合いますね!
これですね、Zのセンセコ化。見ると意味わかりますでしょ?よーするにZにまんま出車ついたよという。
そして実はコレ以前に(だと思うんだけど^^;)、この腕のないバージョン・・・つまり押さえバネだけのバージョンも少数ながら存在しているという・・・レアなので持ってないんスけどね・・・もうね・・・ロンジンry
刻印は例によって「12.68Z」なわけですな^^;
毎度言わせていただきますがこの年代のロンジンはケースとムーブのシリアル一致してます^^;ロンジンなんてがんばりやさんなの
ダイヤルはボロンボロンですが、オリジナルのセクターダイヤル。レアなキャリバーでもあるし、これもなかなかのお値段でしたが思い切って購入しました。イタリアからだったかな。
なんだかんだボロでもこれも気に入ってんですよね(笑)
# 5570xxx Longines Gent’s wrist watch in stainless steel,
it has a movement calibre L 12.68 Z,
it was invoiced on 11th June 1938 to Messrs Ostersetzer who were then our agents for Italy.
あ、これですイタリア出荷。オリジナルダイヤルでしょうけどやっぱりswiss表記みられません。
Longines cal.12.68Z(SC) 1930'S
15J flat hairspring 18,000bph
Dm=27mm(12lignes) H=?mm power reserve 40h Manual wind
Case stainless steel 33x40mm
DATA from
"Ranfft Watches" -Archive: Watch Movements-
"Longines Watch Movements" written by Patrick Linder
Thanks for their great works.
6. Komandirskie
そういえばね、こんなのも持ってましたね。
Komandirskie
いつ頃の時計かよくわかりません。1945-1975って書いてるから1975年ですか?
裏はちょっと面白いけどめんどいスクリューバックケース。裏蓋薄いんですよ^_^
こういう構造でして。
この2番がオフセットされた輪列が結構人気だったかな?当時は。
よくわからないのですがいかにも「らしいデザインだな」と思って取っといたんですね。あともう1個くらい持ってたかな?探してみます。
5. WALTHAM TYPE A-11 cal.6/0'42 U.S.Army Air Force Navigation Hack watch
さて世界が大変なことになってますね。そんな中ですが淡々とコレクションをご紹介していこうと思います。
WALTHAM TYPE A-11 cal.6/0'42 U.S.Army Air Force Navigation Hack watch
言わずと知れたTYPE A-11ですよ。それこそ昔はたくさん出回っていたんですがこれも最近は少なくなりましたよね。軍用時計はもう今後、機械式で作られることはないでしょう。そういう意味では量産機でもレアな存在になってきますよね。
米陸軍航空隊に支給された時計で、A-11は他にもELGIN、BULOVA、LONGINES等もありますよね。特にWALTHAM、ELGIN、BULOVAは数が多くて比較的入手しやすいリアルミリタリーウォッチだと思います。
1944年に支給されたようですね。
3ピースのコインエッジケースは革手袋でも裏表両方開けられます。確かに針が取れたりかんたんなトラブルにはそれで対応できますよね。
こんな感じね。
よく見るとWALTHAMの文字が読めるわけです。
WALTHAM cal.6/0'42は一応巻き上げヒゲゼンマイなんですよねー。しかもハック付き。作りはやや簡素だけど機能は盛り込んでるなあ。ん?耐震はないのね(^_-)。
小さめのボディに操作しやすいビッグリュウズ。
この時計はなんとなくですね。本当になんとなく米軍も欲しいかなって安いからって買って、そしたら実物の雰囲気に・・・惚れちゃったんですよね(*^^*)。珍しい時計というわけではないのだけど、気に入ってますよ。
4. OMEGA SEAMASTER cal.267 ref.2990-1
ここらで行ってみます?唐突に(笑)。オメガです。オメガも好きなんですよ、私以前、店舗でオメガの販売やってたことあるもんで。ある意味それやらなかったら時計に興味持ってはいなかったかなあ。
OMEGA SEAMASTER cal.267 ref.2990-1
そんなオメガも何本か持ってるわけですが、その中で一番状態が良いなあ、と思えるのがこれです。シーマスター表記のランチェロダイヤルを持ったref.2990-1。ランチェロのref.ナンバーですね。OMEGA RANCHERO。今でもオメガ好きの間ではシーマスター、レイルマスター、スピードマスターと同様、アロー針を持ったランチェロは、いったい何のためのモデルだったか、議論が分かれるところですよね。RANCHERO=農場主だから土などの作業でも大丈夫という意味なのか?あっ、この時計Seamasterでした、しかもアロー針じゃないし(笑)
めちゃくちゃ平べったいんですよこれ。径が大きめなので余計そう感じますね。ちなみにセンセコのref.2996-1だとホンの少しだけ丸いです。WATERPROOF表記が誇らしげ。
そんな2990-1ケースはスナップバックですが裏蓋の形状が特殊で、おそらくはスクリューバックじゃないけど防水性をもたせる、という意味合いだったと思います。この形状、確かに通常よりは裏蓋から水は侵入しにくいですよね。つまり、シーマスターほどゴツゴツじゃないけど、そこそこ防水性をもたせたモデルなのかなあと。あ、この時計シーマスターだった(笑)
cal.267ですね。ホレボレしますよね、いわゆる「30mmキャリバー」ですよ。日本ではそう呼ばれることが多いのは某老舗ショップのあの方の影響ですよね多分。もちろん私もとっても影響受けてます(笑)大きな機械ですから一つ一つのパーツのしっかりしたこと!そして巻き上げヒゲゼンマイに耐震装置でもう、言うことありませんよね(*^^*)
これがref.2990-1及びref.2996-1(若干丸い)の防水性のヒミツですね、多分。スナップバックの溝が通常と逆、といえばいいのかな?伝わります?この出っ張りの深さは2mmくらいあります。はめるとき結構硬いんで、写真撮るの難儀なんですよね^^;
このね、顔みたいなダイヤルが好きなんですよ(^_-)。これ、スペインから買ったんです。なかなかないモデルですからね、さすがに高かったし、やり取りに苦労しました・・・