あ、時計のアップだけだと続かないな^^; 手巻最強ブランド・ロンジン/LONGINESの話でも
このペースで時計アップしてったらあっという間にブログが終了してしまいますねー(笑)。
そんなわけで今日は時計の紹介じゃなくて、時計にまつわるお話でも。
私はロンジンを主に集めてるわけですが、なぜにロンジンなの?って思うじゃないですか。巷じゃロレックスやオメガが人気なわけで。安価なのだと国産もありますしね。ロンジン?中途半端では?
いやいや!ロンジンはですね、誤解を恐れず一言でいうと手巻最強ブランドなんですよ。うわーマジで言っちゃったぞ。
そう、vintage watchの世界でも、そりゃスバラシイ仕上げの高級機はねいろいろあります。パテック、バシュロン、AP等雲上然り、すごいですよこの辺は。インターナショナル。ジャガールクルト。手巻といえば30mmキャリバーのオメガもいいですね、精度もいいし頑丈で。ロレックスだってあのオイスターケース含め考えたらフラットバックも悪くない。ゼニスやレマニアやエテルナなんかもいいのありますよね。
それでも、総合的に言えば、ロンジンには敵わないと思う\(^o^)/
マジでー?マジですよ。手巻をロンジンほど大量に作っていたところはないし(データなし現存数からの経験則(笑))、そのおかげで仕上げの割には安価(笑)、また多様性では類を見ません。例えば12lignesキャリバー(直径27mmキャリバー)でもなぜか全く同じ時期に27Oと12.68Zの2系統出してるわけですが、そもそも12.68Zという名前で何種類出してんだよ?!とかおいおいどっちも12Lとか刻印大雑把すぎじゃね?とかあれ?12.68Zって平ひげだったはずなのになにゆえグリーンランダーはヒゲを巻き上げてんの?みたいな。ん?ZSの耐震ってSHOCK-RESISTかと思ったらINCABLOCもあんの?とか・・・。このわけのわかんない細かな仕様の違いには30mmキャリバーシリーズで世界を席巻したあのオメガですら敵わないっ(あと、オメガは整理されてます)。もちろん、12lignesだけじゃないですよ10lignes、13lignes、15lignes、レクタングラー各種、そしてご存知超絶クロノグラフ・・・(持ってないけど(笑))。もうね、手巻腕時計用キャリバー、マジで多様性、半端じゃないんですよ。それがロンジン、LONGINESなんです。
これはこの前のZっす。Zも15J/17Jありますし、耐震のナシアリもありますし、テンワのバイメタル/モノメタルもありますし、プレートも粒金メッキ/コートドジュネーブ/ニッケルメッキ仕上げとかネジの焼きry
手巻ロンジンは活躍したジャンルも広いんですよ一般品のほか軍用時計航空用時計潜水用時計(ん?自動巻じゃね?って思った方、コンプレッサーダイバーはそうなんですがっ・・・実はロンジンはイタリア海軍用の手巻もやってたんですね前は現物ネットで見られたんだけどもう見せてくんないですね、ちなみにこれはそのオマージュで。
)とか、クロノメーターもありますし探すとどんどん出てくるんですね。CORONATIONとかもあるらしい。もうね面白い時計ばかり。
もう一度いいましょうか。誤解を恐れず言えば/総合的に/手巻最強はロンジンだっ!!!
このブログをお読みになるだけでも、そのカオスに飲み込まれること間違いなしなんです(*^^*)。
3. LONGINES cal.27O(27.o/27.0) 1930'S 18ct. solid gold case
ハイ、おわかりですね、ロンジンです。来ましたよcal.27Oです。
LONGINES cal.27O(27.o/27.0) 1930'S 18ct. solid gold case
このね、顔みたいなダイヤルがですね。私は好みなわけです。そりゃあ探しました。cal.27Oってそれ自体現存数が少ないですからね。10年探してやっと手に入ったのがこれです(笑)!だって27Oでこういうダイヤル無いのよ^^;
ま、汚れてはいますがスモセコその他の感じからして多分オリジナルかと。swiss表記無いですけどロンジンの場合出荷国により普通になかったりするもんですから(イタリア出荷のやつ他にも持ってるんですがそれも同様です)。
cal.27O(27.0)は、12.68Zと並びLONGINES腕時計キャリバーのメインであった12lignesサイズの、いわば高級バージョンみたいなもんなんですよ。なので後ほど出ますが巻き上げヒゲになってマス(^_-)。
うむ、なんとなくAWESOMEって感じじゃないですか?
cal.27O。cal.27.oもしくは27.0と表記されている場合もありますね。これ、ロンジンのムーブメントを極めて詳細に解説した書籍「-Longines Watch Movements- by Patrick Linder」には27.oとして掲載されてるんですが。ロンジン社に問い合わせをすると27Oと記されて来ますので、27Oが公式なのでしょう。
あちこちピカピカに磨いてあります。
テンワの左上側に見えますか?27.oと刻印されています。
しかし・・・私はですね!これは密かに27.0だと思っています(笑)。というのは、12.68Zの12.68は12.68lignesを表し、これはこのムーブメントの直径なんです。そして12.68lignesと同じく、27.0は27.0mmなんですね!→調べたら某有名サイトや、Ranfft WAtchesでも27.0表記でした\(^o^)/
ローマ字表記での付加なら、cal.27Mと同じく27o/27Oとすると思うんですよ。だから私は27.0派です(じゃあcal.280は何なんだ、cal.28.0じゃないのかよってロンジンマニア以外わからないツッコミはなしでー(笑))。
まあとにかくこの公式cal.27Oですよ、全く呼び名一つでここまで混沌とするのは量産機ではロンジンだけでしょ\(^o^)/
バイメタル切りテンワ、青い巻き上げヒゲゼンマイ、金メッキされた地板、面取りされ磨かれたパーツ。いいですねー素晴らしい。
ムーブメントとケースのシリアルが一致するのもこの時代のロンジンの特徴。どこまで手をかけるのやら(笑)そして18ct. solid goldケース。この27Oって12.68Zと双璧をなす当時のロンジンの主力ムーブだったんですが、ロンジンの中では中級機が12.68Z、高級機が27Oだったと言われています。なのでこの年代だと金無垢ケースにしか搭載されてないんですね。
後年、27OでもSSケース入りのが出てきます。私は自動巻時代に入り、手巻ムーブが余ったんじゃないかなと推測しています。
この時代らしいフラットベゼルが存在感を高めてますよね(^_-)。
The original serial number 5'594'xxx identifies a wristwatch in 18ct gold bearing the reference 4135. It is fitted with a Longines manually wound mechanical movement, caliber 27O and was invoiced on 9 May 1938 to the company Ostersetzer, which was at that time our agent for Italy.
Longines cal.27O 1938
17J Breguet hairspring 18,000bph
Dm=27mm(12lignes) H=4.6mm power reserve 42h Manual wind
Case 18ct. solid gold 33x40mm
DATA from
"Ranfft Watches" -Archive: Watch Movements-
"Longines Watch Movements" written by Patrick Linder
Thanks for their great works.
2. LONGINES cal.12.68Z 1930'S wire lug cushion case
またまたロンジンですよ!cal.12.68Zの古ーいやつです(笑)クッションケースの。まあなんと言ってもですね、ロンジンといえば12.68Zが基本ですからね~。
LONGINES cal.12.68Z 1930'S wire lug cushion case
このダイヤルの3と9が倒れているのが昔の時計にはよくありまして。ロレックスなんかだと3バカダイヤルとか言われてるやつですね。3が倒れているからバカってことなのかと思いますけど9も倒れているから39バカでもいいんでしょうけどねー。
入手時は風防の劣化でまるで黄色くなっていたんですが、換えたらすっきりしました。なかなかに渋いダイヤルで気に入っております(^_-)
クッションケースのワイヤラグって結構丈夫なんですよね!何本か持ってましたが破損とかしたことはないです。
cal.12.68Z。オールドロンジンといえばもう、まずはコレでしょう!
LONGINESの12lignesキャリバーには2系統あり、cal.27O(27.0)が巻き上げヒゲだったのに対し、cal.12.68Zは平ヒゲゼンマイの普及機でした。相当な数が作られたようで今でもよく目にする、黄金時代のロンジンを支えた手巻主要キャリバーであり、当時のロンジンの代名詞的存在と言っても過言ではないかと思います。
cal.12.68Zは息の長いキャリバーで、1929年の誕生から、終いは1960年代くらいまで使用されたんではないかと思います。ロンジンは細かな仕様変更については品番は無視してそのまま通すため、同じ12.68Zでもたくさんバリエーションがあるんですが、初期のものはこのように15石で粒金メッキ、耐震装置はもちろんなし、のものが多いですね。プレートがジュネーブ仕上げになっているものもあります。高年式のものになると、耐震が付き、仕上げはニッケルメッキ(と思われる)のみのものもあります。
左側に12.68Zの刻印が見えますね(この刻印がLONGINESにおいては混乱の元ではあるんですけどね)。この時代ですからね、バイメタル切りテンワです。スクリューも単なる飾りではなさそうですね。アンクルは普通色(アンクルが金メッキされてるのもあるんですよ)。あ、丁寧にネジ焼かれてますね。
ケースNo.でしょうか、裏蓋と一致します。
右上のこの突起が裏蓋の穴と合致するようになっています。機械のシリアルにもご注目。
ケースNo.、機械のシリアルNo.とも、裏蓋に一致しますね。機械のシリアルと裏蓋の番号の一致は1930年代まで続いたそうです。
なかなかの趣のあるケースだと思いません?(笑)
Longines cal.12.68Z 1935
15J flat hairspring 18,000bph
Dm=27mm(12lignes) H=4.25mm power reserve 40h Manual wind
Case stainless steel 30x30mm(wire lug to wire lug36mm)
DATA from
"Ranfft Watches" -Archive: Watch Movements-
"Longines Watch Movements" written by Patrick Linder
Thanks for their great works.
1. LONGINES cal.12.68ZS 1950'S Sei-tacche case
ジャジャン。映えある1本目です。
LONGINES cal.12.68ZS 1950'S Sei-tacche case
私は今、主にLONGINES、ロンジンの時計を蒐集しています。
そのきっかけとなったのがこの1本。不動で入手し、整備に出して今も使っています。当初はただなんとなく購入しただけでした。機械式時計は売るにはあまり困らないので、気に入らなかったら売ればいいやと思ってそれほど悩みもせず。ところが、不動品であったにも関わらず、なにか存在感があり、手放せなかったのです。
そこでオーバーホールに出すことにしました。その際に整備士さんから「この時計はいい時計ですね」と言われたのが大きく私の心を揺さぶったのです。
裏蓋の記録の2011は2度目のOHだったかな。
そうか、何か惹かれるものがあると思ったけど、いい時計だったのか・・・
12Lと表記されていますがcal.12.68ZSですね。
ロンジンは同じ品番のキャリバーでも多様な仕様があることで知られています。こちら12.68ZSも同じキャリバーでクロノメーター仕様(ただし表記27.0S)もあるのですが、この個体もそれと同じ巻き上げヒゲゼンマイ採用。12Lは12lignesの意で、直径です。
耐震装置はロンジンではいろいろ使われていますがこれはSUPER SHOCK-RESISTでしょうか?金メッキされています。また写真で分かる通りテンプの穴石は赤ルビーですが伏石は白色の物を用いており、これは油の残存料を見やすくするためではないかとのこと(整備士さん)。奥に見えるアンクルは金メッキされており、これも某匿名掲示板で一時期話題になっていました。
ACIER INOX表記の裏蓋は6つ爪スクリューバックで人気がある仕様です。
ロンジンでは特に6つ爪裏蓋のものは"Sei-tacche"と呼ばれていますね。
こんもりしたケースの雰囲気がバブルバックみたいに存在感があって好きです(^_-)
ロンジンのセンターセコンドは秒カナ押さえの板バネをプレートで受けておりその分だけ厚みがあります。このケースは結構細かいところまで仕上がっていると思いませんか?
LONGINES cal.12.68ZS 17J 1950
Breguet hairspring Incablock 18,000bph
Dm=27mm(12lignes) H=5.7mm power reserve 40h Manual wind
Case Acier Inoxydable waterproof 32x43mm
DATA from
"Ranfft Watches" -Archive: Watch Movements-
"Longines Watch Movements" written by Patrick Linder
Thanks for their great works.
特段、有名なref.のモデルでも無いのですが、多分死ぬまで手放さんのではないかと思っている1本です(^_-)。
はじめに - 私が時計沼にハマるまで -
皆様初めまして、oldman1268です。アンティークウォッチ・ヴィンテージウォッチに惹かれてもう20年になりました。
あの頃、時計販売業務に携わったことがきっかけです。それまでクオーツしか使ったことがなく、ロレックスやオメガなどの機械式時計に初めて触れたときに「電池は要らなくてゼンマイで動く?なんて頭の良い発想なんだろう!」と思わず口にしたのを覚えています。当時の職場の先輩方には大笑いされました、順番が逆だよと。
ご存知と思いますが時計は1900年代に腕時計の時代に入りどんどん一般化していきました。動力源をゼンマイとし、振動子をテンプとする「手巻テンプ式→自動巻テンプ式」へ、そして動力源を電池とする「電磁テンプ式」、やがては動力源は電池で振動子が音叉の「電磁音叉式」、そして精度の大革命となった、動力源は電池で振動子が水晶の「電磁クオーツ式」、現在では電池交換がほとんど不要の「蓄電式クオーツ」、さらに精度を求め「電波時計」と発展してきました。
この時計の進化は便利で正確であることを求めてのことです。時計の役割から言えば当然ですよね。
ところが、一部の愛好家が未だに手巻や自動巻を愛用しています。
これを説明するのは難しいのですが、私見ですが主に2つ理由があったと思います。
1つは、手巻や自動巻の時代の腕時計に、多くの高級品が存在したこと。クオーツでさらなる大衆化が進んだ腕時計にあって、その手間隙惜しまないモノづくりの魂に、心を揺さぶられ離れられなかった人々が一定数いました。
もう1つは、ゼンマイを巻くという行為のアナログ作業的な感覚、これが時計に対し生き物のような愛着を覚えさせたのではないかと思います。
そして機械式時計の中でも、vintageに惹かれたのは、やはり機械式時計があるべくしてあった時代のものだから。クオーツの後の趣味としての機械式時計にも機能や性能に秀でた素晴らしいものがたくさんあるのですが、私はそれしかなかった時代の、時間を自分のものにするのにこれしか方法がなかった時代の時計に惹かれます。
そんなわけで時計沼にはまり早20年が経ちました。いつの間にやら、結構な数の時計が手元に来ています。
このブログでは私の愛用の時計たちを紹介していこうと思います(^_-)。